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1997 年度 実績報告書

慢性関節リウマチ患者より単離したパルボウイルスB19のウイルス学的特性

研究課題

研究課題/領域番号 09877062
研究機関東北大学

研究代表者

石井 恵子  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00291253)

研究分担者 高橋 裕一  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (80261535)
キーワード慢性関節リウマチ / パルボウイルス / 炎症性サイトカイン / 関節滑膜組織 / B19
研究概要

慢性関節リウマチ(RA)の発症因子としてウイルスの関与が推定されている。我々はこの一年間の研究によって、B19がRAの発症因子であることを確信させる以下の結果を得た。
活動性RA患者23例全例について、関節滑膜組織にB19ゲノムが存在することをPCRによって確認した。また、in situ hybridizationによって関節滑膜組織中の濾胞や細胞浸潤の著しい部位の細胞核内にB19ゲノムが存在することを明らかにした。さらに、B19の殻蛋白VP1と細胞表面抗原に対する抗体を用いた二重免疫染色により、B19がT細胞、B細胞、マクロファージ、および樹状細胞に感染していることを明らかにした。
活動性RA患者の関節滑膜細胞を非感染者の扁桃細胞や単球系株化細胞とメンブランフィルターを介して共培養すると、扁桃細胞や株化細胞中にB19陽性を示す細胞が現れた。この現象は培養液に抗VP1抗体を添加することにより阻害され、B19がRA滑膜細胞中に感染性を持った状態で存在することが明らかになった。
B19がコードする非構造蛋白NS1は炎症性サイトカインIL-6の転写を亢進させることがわかっている。我々は、活動性RA患者の関節滑膜細胞が培養上清中にIL-6やTNF-αを分泌すること、この現象が抗VP1抗体あるいはNS1の発現を阻害するリボザイムの添加により阻害されることを明らかにした。
以上の結果より、B19感染マクロファージやB19感染T細胞によって分泌されたサイトカインが非感染細胞を刺激し、それらの細胞からも炎症性サイトカインが分泌されることによってサイトカインネットワークが形成され、炎症の拡大、滑膜表層細胞の増生、さらに骨組織の破壊が起こるものと考えられる。
2例のRA患者よりクローン化したB19ゲノム(全体の81%)について塩基配列を決定したが、RA特異的な遺伝子や蛋白の構造はみられなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Sasaki, et.al.: "Persistently infected cells in human parvovirus B19 polyarthritis." Arthritis and Rheum.39. 147-147 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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