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1997 年度 実績報告書

自己免疫性関節炎を自然発症するマウスモデルの確立とその解析

研究課題

研究課題/領域番号 09877071
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

坂口 志文  東京都老人総合研究所, 免疫病理部門, 研究室長 (30280770)

キーワード慢性関節リウマチ / 動物モデル / 自己免疫病 / 疾患遺伝子
研究概要

我々の維持している正常BALB/cマウスのコロニー中に関節腫張のみられるマウスを発見した。これが遺伝子突然変異によると仮定し、関節炎を自然発症するマウス系統の確立をめざした。現在までに7世代を維持した結果、その遺伝形式は常染色体劣性であり、遺伝的浸透率は100%であった。このマウス系統をSPF化し、現在SPF後の発症頻度を検討している。ひとのRAと酷似して、前後肢大小関節が対称的に関節腫張を起こし、病理学的にもパンヌスの出現から関節軟骨、骨の破壊に慢性的に進行する炎症性関節破壊であり、最終的に関節硬直に至る。血中に、高力価のリュウマチ因子、関節に特異的であるII型コラーゲンに対する自己抗体、また高ガンマグロブリン血症が高頻度に出現する点でも、ひとのRAと酷似している。この関節炎は、関節炎発症マウスの脾臓T細胞の移入によって正常BALB/cヌードマウスに養子移入できた。すなわち、この関節炎は自己反応性T細胞によって媒介される真正の(authenticな)自己免疫病である。さらにC57BL/6と交配し、マイクロサテライトマッピングによって原因遺伝子の染色体上の位置を検索したところ単一部位にマッピングできた。現在、野生マウスMusmusculus castaneusと交配し、N2世代についてより詳細なマッピングを行なっている。平行して行なっている免疫学的解析においては、関節炎発症マウスの骨髄細胞から成熟T細胞を除去後scidマウスに移入したところ、全例関節炎を発症した。即ちこの関節炎モデルでは、自己反応性T細胞を活性化する原因が関節抗原側ではなく、自己反応性T細胞の側(クローン排除等の制御機構)の異常にある可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Asano,M.: "Autoimmune disease as a consequence of developmental abnomality of a T-cell subpopulation" J.Exp.Med.184. 387-396 (1996)

  • [文献書誌] Sakaguchi,S.: "T cell-mediated maintenance of self-tolerance and its bnealedown as a possible cause of various autoimmune disease" J.Autoimmunity. 9. 211-220 (1996)

  • [文献書誌] 坂口志文: "自己免疫病モデル動物の開発動向と病因研究" 日本臨床. 55. 1377-1383 (1997)

  • [文献書誌] 坂口志文: "リウマチ様関節炎自然発症モデル" Molecular Medicine「免疫1997-1998」. 臨時増刊. 214-221 (1997)

  • [文献書誌] 坂口志文: "リウマチ様関節炎自然発症モデル" 医学の歩み. 182. 595-599 (1997)

  • [文献書誌] 坂口教子: "リウマチ様関節炎自然発症モデルマウスの確立 〓腺,自己反応性T細胞の関与" 臨床免疫. 29(12). 1470-1478 (1997)

  • [文献書誌] 坂口志文: "免疫研究法ハンドブック" 中外医学社(藤原大美,淀井淳司編), 2 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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