• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

リンパ球に発現する新しいセリン・スレオニンキナーゼの遺伝子とシグナル伝達系の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09877072
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

烏山 一  財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (60195013)

研究分担者 永田 喜三郎  (財)東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (10291155)
倉持 敏美  (財)東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (90291153)
キーワードLOK / セリン・スレオニンキナーゼ / STE20ファミリー / リンパ球 / ES細胞 / ノックアウトマウス / 細胞接着 / two hybrid法
研究概要

最近我々がリンパ球から単離した新規遺伝子LOKは酵母のMAPキナーゼカスケードにおいて重要な働きをしているSTE20と相同性をもつ新しいセリン・スレオニンキナーゼをコードしている。その発現がリンパ球系に強く認められることから、LOKは主に免疫系で機能していることが示唆された。そこでLOKの生体内での役割を明らかにするために、LOKノックアウトマウスの作製・解析をおこなった。まず、129マウス由来のゲノムライブラリーから第1エクソンを含むLOK遺伝子断片をクローングした。これをもとにNeoおよびTK遺伝子を挿入したターゲティングベクターを作製し、ES細胞に導入して相同組換えをおこしたESクローンを選別した。選別したESクローンを用いてキメラマウスを作製し、さらに交配を重ねることによりLOK遺伝子欠損のホモマウスを樹立した。できたLOKノックアウトマウスは外見上著変を認めず、リンパ球の分化に関しても正常マウスとの差異は認められなかった。ところが、リンパ球をマイトジェンで刺激したところ、形成されるリンパ球の凝集塊が正常マウスのリンパ球に比べ有意に大きいことが判明した。接着分子の解析からLFA-1を介する細胞接着が亢進しているが明らかとなり、LOKが細胞骨格・接着分子の機能制御に深く関わっていることが示唆された。一方、酵母を用いたtwo hybrid法により、LOKと会合しうる分子をコードするいくつかの遺伝子断片が単離された。現在、細胞内でのLOKとの会合の有無を解析中である。ヒトのLOK遺伝子を単離したところ、キナーゼドメインとcoi1ed-coil領域でマウス遺伝子と極めて高い相同性(93-98%)が認められた。ヒトLOK遺伝子は染色体5q35.1に、マウスLOK遺伝子は染色体11A4にマッピングされた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kuramochi,S.: "LOK is a novel mouse STE20-like protein kinase that is expressed predominantly in lymphocytes." Journal of Biological Chemistry. 272. 22679-22684 (1998)

  • [文献書誌] Kuramochi,S.: "Molecular cloning of the human gene STK10 encoding lymphocyte-oriented kinase and comparative chromosomal mapping of the human,mouse and rat homologues." Immunogenetics.

  • [文献書誌] Karasuyama,H: "Kinases and phosphatases in lymphocyte and neuronal signaling" Springer-Verlag, 354 (1997)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi