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1998 年度 実績報告書

阪神大震災による死亡者の死亡状況とその社会的関連要因の検討

研究課題

研究課題/領域番号 09877084
研究機関神戸市看護大学

研究代表者

笠松 隆洋  神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (20073695)

研究分担者 吉岡 隆之  神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (90285354)
沼本 教子  神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (00198558)
キーワード震災 / 死亡 / 人口動態調査 / 死因 / 死亡場所
研究概要

平成7年1月に発生した阪神大震災は、都市型の震災であり都市における救急医療対策等で検討しなければならない多くの課題を与えた。被害が甚大であった神戸市における震災による死亡状況の特性について検討した。平成7年1〜6月に神戸市区に届けのあった死亡届及び死亡診断書を基に作成された人口動態調査死亡票に「震災による死亡」と記載されたものについて解析を行った。【結果】(1)死亡者3825人の内訳は男性1542人(40.3%)、女性2283人(59.7%)で、女性は男性の1.5倍多かった。65歳以上でみると女性は男性の2倍多かった。(2)死亡者の死因では窒息・圧死が2872人(75.1%)と最も多く、次いで焼死・熱傷456人(11.9%)が多かった。傷害発生場所別死因では、東灘区では87.6%、灘区では80.0%が窒息・圧死であった。一方、長田区では焼死・熱傷が33.0%を占めていた。(3)死亡場所については3127人(81.8%)が自宅、263人(6.9%)が病院であった。死因別に死亡場所をみると、窒息・圧死による死亡者の82.3%、焼死・熱傷による死亡者の93.2%、頭・頚部損傷による死亡者の82.5%が自宅での死亡であった。一方、内臓損傷による死亡の25.3%、外傷性ショックによる死亡の39.6%は病院での死亡であった。(4)死亡場所が病院であった者について、傷害発生場所と死亡場所が同一区内である者の割合で最も多かったのは中央区の86.4%、最も少なかったのは灘区の50.0%であった。中央区では他の市区からの搬入者が多かった。以上のことより、女性の高齢者に死亡者が多かったこと、激震地域に死亡者が多かったこと、区により死因割合に差違がみられたこと、特定の区に傷害者の搬入が集中していたことなど、震災による死亡者の特性が明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 笠松隆洋: "阪神大震災による死亡状況の検討" 日本公衆衛生雑誌. 45(10). 365-367 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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