研究概要 |
1. 研究成果 (1) Differetial Display法: 生後3日、1、2、4、6、8週、4、6、9、15ヶ月の近交系マウス(C57BL/6)の腎臓より抽出したtotal RNAについて、3種類のanchor primer(GT_<15>X,X=A or C or G)と10種類の任意の10-mer primer(Operon社)の組み合わせによる合計30組のPrimerを用いてDifferetial Display法を行った。その結果、月(日)齢と発現量の間に相関が認められるバンドを10本見い出した。 (2) クローニングと塩基配列分析: 上記バンドをゲルから回収し、PCRで再増幅したのちT-A cloning法によるクローニングを行い塩基配列の解析を行った。 (3) RT-PCR: 塩基配列をもとに合成したprimerを用いてRT-PCR法を行い、Differetial Display法における結果が本来の発現パターンを反映しているかについて確認した。両者の発現パターンは10個のうち7個の遺伝子ではほぼ一致し、これらの遺伝子については発達、加齢に伴う発現変化が確認されたが、残り3個の遺伝子では発現量の変化は認められなかった。 (4) 塩基配列データベース(BLASTN)によるホモロジー検索: 7個の遺伝子のうち4個は既知の遺伝子のcDNA塩基配列の1部と、3個はESTの1部と相同性を示した。 2. 今後の展開 今回見い出した物質をヒトの年齢推定のためのマーカーとして応用するため、ヒトにおける発現パターンの解析、cDNA全長の塩基配列解析などを行う。
|