(1)活動性ループス腎炎患者骨髄より各成熟段階のB細胞を得るために患者骨髄血単核球をEBウイルスにてトランスフォームさせた。現在これらの細胞をクローン化するためにlimiting dilutionし、細胞表面μ鎖、代替L鎖、IgM、IgDを検索中である。この際クローン化させる効率を上げるために、FACSにて骨髄血単核球よりCD19+μ鎖-細胞及びCD19+μ鎖+細胞を分離し、それらをEBウィルスにてトランスフォームさせた。しかしこれらの細胞は維持出来なかった。 (2)(1)で得られたクローンの自己抗原に対する反応性を検討するための手段を確立するために、SLE患者末梢血単核球よりEBウィルスにてトランスフォームさせ得られた抗DNA抗体産生B細胞のDNA抗原に対する反応性を細胞表面DRや細胞内Ca濃度の変化を測定することにより検討した。抗原刺激後これらの指標は軽度であるが変化し、この方法で自己抗原に対する反応性を検討することが可能であると考えられた。 (3)SLE及び正常人B細胞におけるBSAPの発現の差異を比較する目的で、すでに樹立されているヒトpreB細胞株においてBSAPの発現量をgel shift assayにて検討した。ヒトpreB細胞株にグルココルチコイド添加することによりBSAPの発現量は変化を示した。すなわちこの方法によりBSAPの発現量の比較は可能であると考えられた。
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