本研究プロジェクトはHIV感染者からの不細胞を採取し、HIV非感染細胞のみを体外で大早に増やす方策を見い出そうとするものである.すなわち、適当なT細活性化の補助分子に対する抗体による刺激を駆使してHIV感染細胞を有効に増殖させ、さらに最近明らかにされたHIVコレセプターの発現と機能を修飾することによりHIV感染の播種を防ぐ方法を確立することをめざす.本年度はCD26、CD28、CD29、CD82の各抗体によって刺激されたT細胞に対するHIVの感染性を調べ、どの刺激補助分子が本プロジェクトの遂行に適当かを解析した.その結果、CD28で刺激したT細胞はM-tropicなHIVの感染に対し抵抗性を示すがT-tropicなウイルスには感染すること、およびCD28以外の刺激ではHIV感染抵抗性を獲得できないことが明らかにされた.今後、コレセプターの発現を含めて、そのメカニズムを明らかにする予定である.なを、研究の過程でHIVコレセプターの一つであるCCR3に対するモノクローナル抗体が樹立された.本抗体はCCR3依存性のHIV感染を特異的に阻害することが示された.
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