研究課題/領域番号 |
09877168
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉川 宏起 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10272494)
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研究分担者 |
杉下 守弘 東京大学, 医学部, 教授 (10114513)
井上 優介 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40232566)
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キーワード | MRI / EPZ法 / 血液スピンラベリング / 脳 / 血液灌流 |
研究概要 |
血液スピンラベリング法の確立により造影剤なしに、非侵襲的に組織の潅流情報が得られるようになる. (正常対象者による基礎的検討)正常者を対象に前年度に確定した撮像法であるスピンエコー型のEPI(echo planar imaging)法を基礎としたFAIR(flow sensitive altermating inversionrecovery)法の至適パラメータの検討を行った.使用したのは静磁場強度1.5Tの臨床用MRI装置(GE Signa Horizon;5.6 version)で、送信・受信兼用のbirdcage型頭部用コイルを用いた.繰返し時間(TR)/エコー時間(TE)/反転時間(TI)を3000msec/30msec/900〜1800msecとし、撮像マトリックスを96x96、32回積算とした。この結果、至適TIは1500〜1800msecで、これより短いTIでは血管内信号抑制勾配磁場(1.2G/cm)による信号低下が大きかった.短いTIではラベルされたスピンが比較的太い血管内に留まっているのに対し、長いTIでは太い血管よりも組織の末梢の潅流からの信号が得られているものと考えられた. (流体ファントムによる基礎的検討)前年度に作成した流体ファントム(拍動流で流速0-150cm/sec(内径8mmの管)が可能)を用い、流体にはGd-DTPA製剤(1.25mmolGd/l)と酸化鉄粒子製剤(0.125mmol/Fe/l)を脱気水に溶解したものを用いて基礎実験を行った.装置および撮像法は上記と同じ(TIは1500msecとした)であった.造影剤なしの脱気水の場合に比較して、Gd-DTPA製剤でも酸化鉄粒子製剤でも約6-7倍の信号強度の増強が見られた.これらの造影剤によるFAIR琺の有用性の向上が示唆された. (今後の検討項目)実験動物(ラットの予定)における上記造影剤によるFNIR法の有用性の検討と、ラット脳梗塞モデルによる本検査法の検証、さらにはマルチスライスFAIR法の開発などを行っていく予定である.
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