• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

成長ホルモンの成長作用発現の分子メカニズムの解析-ドミナントネガティブSTAT分子を用いた解析-

研究課題

研究課題/領域番号 09877198
研究機関大阪大学

研究代表者

山崎 義光  大阪大学, 医学部, 助手 (40201834)

研究分担者 梶本 佳孝  大阪大学, 医学部, 助手 (60301256)
キーワード成長ホルモン / 小人症 / STAT / IGF-I
研究概要

成長ホルモン(GH)作用の発現機構は小人症の病因解明ならびにその治療という点から重要な課題である。成長ホルモン受容体(GH受容体)以後の作用伝達系には未解明の点が多いが、GH受容体以後のシグナル伝達には、様々なサイトカインのシグナル伝達にかかわるJAK-STATシグナル伝達路が関与している可能性が示竣されている。
本研究では、GH→IGF-I→成長作用発現という一連のシグナル伝達(GH-IGF-I axis)においてJAK-STATがいかに関与しているのかについて検討を加えることを目標とした。そのために,生理的濃度のGHに応答して,IGF-Iを分泌しつつ成熟脂肪細胞へと分化する、脂肪前駆細胞ob1771細胞株(Doglioet al.,EMBOJ.5:4011-4016,1987)において、ドミナントネガティブSTAT分子を過剰発現する安定発現細胞株の作製を試みた。申請者らは現在までにi) ob1771脂肪前駆細胞および3T3-L1脂肪前駆細胞をGHで刺激した場合にSTAT5が特異的に活性化(チロシンリン酸化)されることを明らかにした。
ii) ob1771脂肪前駆細胞において活性化されるSTATSに対応する、ドミナントネガティブSTAT5分子の作製に成功した。これらのコンストラクトを使用し、
iii) ドミナントネガティブSTAT分子をリポフェクション法を用いて、ob1771tlB胞に導入し、薬剤選択を施してドミナントネガティブSTAT過剰発現細胞株を複数樹立した。
現在、これらのドミナントネガティブ分子発現細胞とその親株におけるGH刺激による作用発現を比較検討している。具体的には、これらの細胞株において、実際にGH刺激した場合の内因性のSTATの活性化が抑制されていることを確認したのち、これら細胞株のGH応答性の表現型の変化について検討を加えつつある。現在実験途上であるが、残念ながら、安定した結果は得られていない。この原因として、ob1771細胞が非常に不安定な細胞であることがあげられる。薬剤でselectionをかける過程で、脂肪細胞への分化能が失われてしまうクローンを多数認めた。この問題を解決するべく今後は、薬剤によるセレクションを使用せず、Adenovirusを用いてドミナントネガティブSTAT5分子をob1771細胞に発現させる実験を予定している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kajimoto Y ,et al: "AP-l-Like Motif as a key to Understanding the Insulin-Like Growth Factor(IGF-I) Gene Regulation." Endocrine Journal. 45・1. 1-12 (1998)

  • [文献書誌] Fujitani Y, et al: "An alternative pathway for STAT activation that is mediated by the direct interaction between JAK and STAT" Oncogene. 14. 751-761 (1997)

  • [文献書誌] Kajimoto Y , et al: "Suppression of transcription factor PDX-l/IPF1/STF-1/IDX-l causes no decrease insulin mRNA in MIN6 cells." J. Clin. Invest. 100・7. 1840-1846 (1997)

  • [文献書誌] Kaneto H ,et al: "Expression of HB-EGF-like during pancreas development: a potential role of PDX-1 in transcriptional activation" J. Biol. Chem.272・46. 29137-29143 (1997)

  • [文献書誌] Matsuoka T ,et al: "Glycation-dependent,reactive oxygen species-mediated suppression of the insulin gene promoter activity inHIT cells" J. Clin. Invest.99・1. 144-150 (1997)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi