(1)pIClnの細胞内局在の動態:免疫組織化学による観察によって、ラットではpIClnは近位尿細管では細胞質に遠位尿細管では管腔面の膜に存在することを観察した. (2)ブタ腎由来の株細胞LLC-PK1を用いた実験では、pIClnは細胞質内に存在し核及びその周辺に密度が高く存在した.表面膜には存在しない. (3)細胞下分画を行い、イムノプレット法で検討したところ、pIClnは不溶画分と可溶画分に約50%ずつ存在した. (4)細胞を低浸透圧に曝すと、5分以内に不溶性pIClnの存在比は低下し、可溶pIClnの存在比が上昇した. (5)リコンビナントpIClnを合成し、結合タンパクを検索したところ、極めて強固に結合しているタンパクが5種分離出来た.その中の1つはアクチンであった. (6)pIClnとの結合タンパクを生成し分析しているが、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素であることが明らかになった. (7)この研究の課程で、腎には腎固有のタンパクとしてアミノアシラーゼに一次構造が類似したタンパクの分離に成功した. (8)腎には腎固有のタンバクとしてλクリスタリンに一次構造が類似したタンパクの分離に成功した.
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