研究課題/領域番号 |
09877219
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土井 俊夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60183498)
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研究分担者 |
家原 典之 京都大学, 医学研究科, 助手 (20281727)
久米 典昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (20252455)
袴田 康弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (30261233)
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キーワード | メサンギウム細胞 / bHLH / E-box / Id |
研究概要 |
平滑筋細胞の分化にはCArGboxが重要であると示唆されており、多くの平滑筋細胞に特異的な遺伝子の制御部分に存在するE-boxは重要でないと考えられている。このE-boxにはbasic helix-loop-helix(bHLH)の転写因子が結合すると考えられているが、その機能は不明である。メサンギウム細胞は腎障害における重要な役割を果たしており、メサンギウム細胞の形質変化は進行性腎障害の最も大切な因子であり、その形質の制御因子を明らかにする事は腎障害の進展機序解明、治療法開発に必須である。メサンギウム細胞は特殊に分化した平滑筋細胞であるが、しかしその分化誘導をおこす転写因子は明らかでない。今日までメサンギウム細胞にはId(筋分化の抑制因子)が存在するが、それに結合するbHLH構造を持つmyoDに代表される転写因子は明らかでなく、その機能も不明である。我々の予備実験ではIdの発現が発生段階や病変部で変化する事が明らかとなった。今回、PCRクローニングにおいてメサンギウム細胞はMyoDファミリーの中のmyf5およびmyf6が存在する事を明らかにした。その特異的なペプチドに対する抗体の実験でもメサンギウム細胞にこれらの蛋白の存在を証明した。その局在は生後の時間経過により明らかに変化していることが解明できた。 本研究によりメサンギウム細胞においてE-boxに結合するbHLHの転写因子の機能が解明できれば、この分野のみならず平滑筋細胞の研究においても新たな研究が推進される可能性は極めて大である。
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