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1998 年度 実績報告書

放射線による大脳皮質発達障害と神経細胞接着分子

研究課題

研究課題/領域番号 09877221
研究機関徳島大学

研究代表者

福井 義浩  徳島大学, 医学部, 教授 (50144168)

研究分担者 澤田 和彦  徳島大学, 医学部, 助手 (10284324)
久野 節二  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (70136216)
キーワードX線被曝 / 大脳皮質 / 発達障害 / 海馬 / 苔状線維 / NCAM / FAS
研究概要

1. 胎生期放射線被曝により、神経細胞の遊走路となる放射状グリア線維が屈曲し、神経細胞の大脳皮質への遊走が障害されると考えられる。妊娠13日のICRマウスに1.5Gyのγ線を照射した。抗GFAP抗体と胎生期の放射状グリア線維との反応性が高い抗midkine抗体を用い、γ線被曝後の胎仔および新生仔の大脳を観察した。胎仔大脳においては、midkine陽性の放射状グリア線維は、対照群で軟膜面に垂直で直線状に伸展していた。一方、γ線被曝群では、放射状グリア線維は屈曲していた。新生仔大脳では、グリア線維は坑midkine抗体との免疫反応性が低下したが、γ線被曝群でGFAP陽性線維の屈曲と分枝の増加が認められ、対照群より抗GFAP抗体との免疫反応性は強かった。
2. ラットに妊娠10日から5%エタノールを含む液体飼料を与え、妊娠21日で帝王切開して、FAS(胎児性アルコール症候群)ラット仔を得た。FASラットの脳は、対照群と比べるとやや小さく、嗅脳溝上方の側頭部の皮質表層にくぼみが認められた。また、軟膜下で複数の異所性細胞塊を両側性に認めた。さらに、MAP1bの免疫染色を行ったところ、これらの異所性細胞塊内にMAP1b陽性の神経線維の存在が確認された。正常では、MAP1b陽性の神経線維が規則的に伸びているのに対し、異所性細胞塊直下の大脳皮質ではMAP1b陽性神経線維の走行が不規則であった。また生後7週で、海馬を抗NCAM(神経細胞接着分子)抗体を用いて免疫染色を行ったが、吻側部CA-3aの上行部と錐体細胞層で、NCAM陽性の異所性苔状線維がみられた。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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