1.臨床検体からRLGS profileの作成 大腸癌にて慶應大学病院で手術をうけた患者13例より得られた新鮮切除標本の癌部、非癌部組織よりゲノムDNAを抽出し、restriction landmark genomic scanning法にてprofileを作成した。 2.profileの解析 profileをデジタル化し、今回の補助金にて購入したコンピューターApple Computer Inc.Power Macintosh PC8600/250にてスポットの出現・消失、スポット強度の変化等に関して画像解析を行った。複数症例で共通の変化をするスポットは10個で、癌部にのみ出現するスポットでは、最高8例中5例(62.5%)に認められた。これらは大腸癌発癌に関連する遺伝子断片を表している可能性が示唆された。 3)共通した変化を認めるスポットのクローニング これらのスポットのクローニングを行い、該当する遺伝子の同定を試みた。profileのスポットにあたる部分のゲルを打抜き、DNAを抽出、PCR法にて増幅し、DNA断片のシークエンスを行い、データベースにて既知の遺伝子とのホモロジーを検索した。 4)ヒト脂肪酸シンターゼ遺伝子と69%の相同性を認め、高脂肪食摂取と大腸癌発癌との分子生物学的関連性が示唆された。
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