研究課題/領域番号 |
09877256
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷田 達男 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (20217144)
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研究分担者 |
藤村 重文 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
小野 貞文 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80250827)
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キーワード | 慢性肺気腫 / イオントランスポート / 肺胞上皮細胞 / 肺上皮・血管内皮細胞移植 / 肺傷害 / 細胞培養 |
研究概要 |
老人に多く見られる慢性肺気腫では加齢変化や喫煙による肺傷害の結果、肺血管床、肺胞構造の減少、希薄化が見られる。この際、肺血管内皮細胞、肺胞上皮細胞が不可逆な変化を生じ、慢性呼吸不全状態となり、恒常的な呼吸不全患者の増加の原因となっている。 平成9年度は肺血管内皮細胞と肺胞上皮細胞の分離培養を可能ならしめるために実験環境を整備することに当てた。その後、細胞分離法の性能を向上させることを主眼に、different adherence法を用い肺胞上皮2型細胞を分離し、その生存率を上昇させ、分離純度を約80%まで上げることが可能となった。 次年度以降は肺に対して種々のストレスをかけ、これに対する細胞系の反応を検討することに重点を移して行く予定である。これまで我々が行っている肺に対するストレスである急性、慢性の低酸素曝露や被刺激好中球の血管内皮細胞接着等の現象を利用し、血管内皮細胞の反応性変化を計測し、更にこれに関与する細胞内情報伝達系の解析も検討する予定である。特に、好中球の血管内皮細胞接着の現象は血管内皮細胞の表面にあるICAM-1(intercellular adhesion molecule-1)を介して、細胞内のtyrosin kinaseの活性化をもたらし、引き続くIP3-Kinase、Protein kinase C、さらにMAPKinaseの系を通してICAM-1を再合成すると考えられる。このことは、遺伝子レベルでの細胞系の反応を検討することが必要となる可能性がある。また、一方で、heat shock proteinの誘導が関与する可能性もあり、これらについて確認する予定である。
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