本研究では色素経皮吸収標示装置、指示薬検出装置及び相互相関関数測定装置を開発し、これらの装置を用いて動物実験により経皮吸収による希釈曲線測定の可能性を研究する。現在、装置開発は最終段階にある。最重要課題であった指示薬検出装置のセンサー用光源には波長が810mμ、出力5mWのレーザーダイオードと、メーカーに開発を依頼して作製した波長805mμ、出力0.5-1.5mWの発光ダイオードとを使用する。目下その安定度、光出力、寿命、サンプル血液中での吸光特性の評価の準備を進めている。また、循環器系へ経皮吸収される色素(インドシアニングリーン)は極めて微量と予測されるため、ダイナミックレンジの大きい(入射光10^<-3>-10^<-12>Wの範囲で出力電流が直線)受光ダイオードとの組み合わせにより検出感度をサーマルノイズによる限界まで増大させ、色素濃度と入射光強度、検出感度との関係をインビトロベースで検討すべく進めている。冷却によるサーマルノイズの低減の必要性も考えられるので、電子冷却型受光素子も手配中である。経皮吸収装置は今後実験の中で出力の増大等多少の修正はありうるが、特性の評価を残し超音波加振装置(100Hz-10KHzで可変)、遠赤外線加温装置、電気インパルス印加装置(1-300Vで可変)の製作を完了している。相互相関測定装置はハードウェアの組立中である。実験ベースであるため装置は基本的な演算機能を有するよう構成される。装置が完成し次第、総合試験の後動物実験を開始する。
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