研究概要 |
平成9年度は以下のような研究を行い、その成果を下記の学会等に発表した (1)麻痺筋に対する電気刺激出力とそれによって生じた上肢運動(手関節の位置および各関節の角度)を同時にオンライン記録するため、動作解析装置(Frame-DIAS)を用いて、電気刺激上肢運動制御及び上肢運動計測システムを構築した。 (2)健常者を仮想被験者として、電気刺激出力に合わせて被験者が上肢運動を行い上肢運動計測システムによってこれを記録した。様々な刺激出力-上肢運動関係を測定することで、ある上肢運動を惹起する刺激出力を自動的に算出できるシステムとするため、未知の運動-刺激出力計算に、神経回路モデルを想定した学習システムを導入した。このシステムを用いて仮想データに対して学習を行い、学習を行わなかった他のデータと比較し、学習システムの動作確認を行った。 (3)脳卒中患者の麻痺側の運動に関わる筋にFES用経皮的埋め込み電極を埋め込み、刺激出力-上肢運動関係を測定し、同関係の学習を試みた。学習された患者の特性を基に、各種の上肢運動のための刺激パターンを適応的に作成し、上肢運動の制御を試みた。 学会発表 97年度 日本ME学会 「上肢FES制御のためのニューラルネットワークを用いた動作の学習」 志賀 加奈子 他 発表論文 「経皮的埋込刺激電極を用いたH波の1a相反抑制の経時的観察」 伊藤 健司他 リハビリテーション医学;35:106-109,1998
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