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1997 年度 実績報告書

ヒト匹肢先天性縦列形成障害における形態形成遺伝子群の役割-ラットモデルを用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 09877281
研究機関北海道大学

研究代表者

加藤 博之  北海道大学, 医学部, 助手 (40204490)

研究分担者 濃野 勉  川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098619)
平地 一彦  北海道大学, 医学部, 助手 (60281812)
三浪 明男  北海道大学, 保健管理センター, 教授 (20133738)
キーワード四肢の発生 / 上肢先天異常 / 橈側列欠損 / 縦軸欠損 / 肢芽細胞死 / 皮膚紋理 / 形態形成遺伝子
研究概要

橈側列欠損は縦軸欠損に分類される先天異常である。私達は妊娠ラットにMyleranを投与し胎仔にヒトと同様の橈側列欠損を誘発し,その臨界期,全身奇形との関連について調べてきた。本症の成因をさらに検討するために,本モデルの肢芽の細胞死と妊娠末期胎児の手掌の皮膚紋理を観察した。
妊娠100日目のラットに20mg/kgのMyleranを投与した。妊娠12.0〜14.0日の間に母ラットを開腹して胎仔を取り出し,全身をナイルブルーで染色して肢芽の細胞死を観察した。皮膚紋理の観察は妊娠20.0日目に開腹して生存胎児を取り出し表皮を剥離した後、手掌部をトルイジンブルーで染色した。皮膚紋理観察後に骨軟骨染色を行い前腕と手の骨格異常を確認した。肢芽の細胞死は妊娠12.0日の胎仔に全身に強く認められた。肢芽の変化は妊娠12.0日で掌側に特異的に認められ、妊娠13.0日になると細胞死は認められず橈側の形成障害が現れ始めていた。手掌の皮膚紋理は、示指から小指の基部掌側に出現する横隆起(caterpillar pad)について示指に最も低形成がみられ,対で中指に低形成がみられたが,環指・小指ではほぼ正常であった。母指から小指の遠位掌側に出現する指パッド(digital pad)については,示指から小指までは低形成はほとんどみられなかった。形成不全の重篤な母指においても爪と指パッドの出現を認めた。ラットの橈側列欠損の肢芽の細胞死は妊娠12.0〜13.0日頃に生じると考えられた。また、細胞死の分布が橈側に限局して出現せず掌側に認められたことは、肢芽発生時期において掌側の間葉細胞の壊死の存在が橈側列欠損の形成に関与している。さらに上皮間葉相互作用によって形成される爪や指パッドの分化が正常であったことは,本疾患においては細胞分化は正常である反面,細胞の分裂増殖に異常があることを示唆しれいる。現在、形態遺伝子の異常について研究中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小瀧 宏明: "ラット橈側列欠損のメカニズム-萌芽細胞死と皮膚紋理の解析-" 日本手の外科学会雑誌. 14(予定につき未定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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