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1998 年度 実績報告書

ヒト四肢先天性縦列形成障害における形態形成遺伝子群の役割-ラットモデルを用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 09877281
研究機関北海道大学

研究代表者

三浪 明男  北海道大学, 保健管理センター, 教授 (20133738)

研究分担者 濃野 勉  川崎大学, 医学部, 助教授 (20098619)
末永 直樹  北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70261310)
キーワード四肢の発生 / 上肢先天異常 / 橈側列欠損 / 縦軸欠損 / 形態形成遺伝子
研究概要

これまで私達は妊娠ラットにMyleranを投与し胎仔に誘発した橈側列欠損に対して肢芽の細胞死と妊娠末期胎児の手掌の皮膚紋理を観察し、妊娠12.0日前後に臨海期があること、肢芽発生時期における肢芽全体、または掌側に認められる間葉細胞の壊死が橈側列欠損の形成に関与していること、細胞の分裂増殖に関与するシグナル異常が、成因であることを報告した。今回は本症の成因をさらに検討するために、本モデルにおける形態形成遺伝子の解析を行った。解析は、肢芽の前後軸を決定している、shh、Hoxd-11、Hoxd-12、Hoxd-13に関して行った。正常な肢芽において、shhは肢芽後端の中胚葉領域(極性化活性帯)に認められる。Hoxd遺伝子は脊椎動物のホメオボックス遺伝子でありHoxd-11、Hoxd-12は肢芽の後半部で、Hoxd-13は手関節より遠位で特異的に発現することが分かっている。妊娠10.0日目のWKAH/Hkmラットに20mg/kgのMyleranを投与し、妊娠12.0〜13.0日の間に母ラットを開腹して胎仔を取り出した。また、妊娠12.0〜13.0日の対照群も採取した。in situハイブリダイゼーションを行ない、対照群とMyleran投与群におけるshh、Hoxd-11、Hoxd-12、Hoxd-13の発現を実体顕微鏡下で比較検討した。観察した胎仔数はshh、Hoxd-11、Hoxd-12、Hoxd-13とも10匹、対照群は各4匹であった。対照群と比較したMyleran投与群においてshhおよび、Hoxd-11、Hoxd-12、Hoxd-13の形態形成遺伝子の発現部位に差異は認められなかった。
前回報告した実験で、ラットの橈側列欠損の肢芽細胞死は橈側に限局しなかったことから、肢芽発生時期における形態形成遺伝子の関与が考えられた。しかし、今回の実験で、前後軸を決定するshh、Hoxd-11、Hoxd-12、Hoxd-13の遺伝子の発現には異常が認められなかった。現在、他の形態形成遺伝子の異常について研究中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小瀧 宏明: "ラット橈側列欠損のメカニズム-四肢形態形成遺伝子群の解析-" 日本手の外科学会雑誌. 15. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2014-05-20  

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