研究課題/領域番号 |
09877287
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
越智 隆弘 大阪大学, 医学部, 教授 (80112035)
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研究分担者 |
中瀬 尚長 大阪大学, 医学部, 助手 (00283755)
米延 策雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (50127320)
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キーワード | osteoporosis / vertebral fracture / paralysis / lumber spine |
研究概要 |
脊椎圧迫骨折は、特に基礎疾患として骨粗髭症を有する患者に頻繁にみられる病態である。その多くは保存的治療で対応可能であるが、なかには持続性あるいは増強する疼痛の原因となったり、遅発性の脊髄麻痺を来す症例が存在し、患者の日常生活レベルの著明な低下へとつながる場合がある。我々は、手術に至った椎体圧迫骨折の症例についてその疫学や病態について検討した。i)慢性関節リウマチでは高率に骨粗髭症がみられるが、その患者84例について腰椎の検診を行い、画像所見について検討した。その結果、X線学的に椎体圧迫骨折の所見を有する患者は全症例の19%を占め、これらのうち69%が持続性の腰痛を、また、54%が下肢痛や間欠性跛行といった神経症状を訴えていた。椎体圧迫骨折の所見を有する患者のうち手術に至った症例は4例であるが、4例とも椎間板腔の膨隆とともに椎体辺縁部での不整像が認められることが特徴であった(別冊整形外科34:219-223、1998)。ii)手術に至った症例のうち、前方固定術を施した1例について採取した圧迫骨折部の組織学的検討を行った。その結果、病変部には粗鬆化した骨梁に加え、肉芽組織の増殖と炎症性細胞の浸潤が認められ、慢性関節リウマチとしての病変が関与している可能性が示唆された。これらに比し、反応性の骨形成の像は乏しく、骨癒合が遷延した状態であることも明らかとなった(Int.Orthop.22:397-399、1998)。
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