研究概要 |
1. 滑膜細胞培養および滑膜細胞移植、関節軟骨細胞の調整 家兎膝関節から滑膜組織を採取し、組織片培養によって滑膜細胞を単離した。これをbromodeoxyuridineで標識し、膝関節内に細胞浮遊液の状態で注入すると、約2週間に渡って滑膜組織上に標識滑膜細胞が生着していることを確認した。また、家兎関節軟骨を酵素処理し(0.25%trypsin,0.25%collagenase)、軟骨細胞を調整した。 2. 関節軟骨部分欠損モデルの作製 家兎関節において、大腿骨内側荷重部に深さ0.1mmの軟骨部分欠損を作製すると、術後2カ月で相対する脛骨関節軟骨面にも明らかな変形性関節症性変化を生じることが判明した。また、関節軟骨全層欠損を作製した場合にも、相対する関節面に関節症性変化を生じた。 3. TGF-β遺伝子の調整および遺伝子導入 pSVTGF-β1にマーカーとなるgreen fluorescent proteinの遺伝子pEGFPを組み込んだものを、1.で調整した滑膜細胞にeleectroporationを用いて遺伝子導入を行った。その導入効率は0.01%であり、遺伝子発現期間は約5日間であった。 4. TGF-βによる軟骨細胞遊走速度の変化 単層培養を行った軟骨細胞にTGF-βを添加すると(0.1、1、10ng/ml)、対照に比べて遊走速度は有意に増加した(約1.5倍)
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