研究課題/領域番号 |
09877301
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
土肥 修司 岐阜大学, 医学部, 教授 (40155627)
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研究分担者 |
竹田 智雄 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (30252141)
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キーワード | 脊髄疼痛制御機構 / 脊髄くも膜投与薬 / ウワバイン(ouabain) / Na^+-K^+ATPase阻害薬 / モルヒネ / クロニジン / 侵害受容体疼痛 |
研究概要 |
・Na^+-K^+ATPaseはNa^+イオンを細胞外へ、K^+イオンを細胞内へ汲み入れ細胞膜を通して電気化学的勾配を発生・維持する重要な細胞膜タンパクである。Na^+チャネル阻害薬である局所麻酔薬、Ca^<2+>チャネル拮抗薬、全身麻酔薬などの麻酔薬脊髄疼痛制御機構に関したは広範な且つ活発な研究がなされているが、Na^+-K^+ATPaseやNa^+-H^+交換機構の神経細胞、それも脊髄の疼痛受容系ニューロン系での役割に関しては全く研究されていない。 ・この点の研究の糸口とするため、ウワバイン(ouavain)、Na^+-K^+ATPase阻害薬、とアミロライド(amiloride)、Na^+-H^+変換酵素、の脊髄くも膜下腔投与の疼痛制御機構への作用を健闘した。 ・予め脊髄クモ膜下腔内へカテーテルを挿入したラットを使用して、種々の濃度のウアバインを脊髄クモ膜下腔に投与して、侵害性熱刺激による Tail flick latencyから%MPE(Maximum Possible Effect)を計算し、疼痛に対する反応を検討した。 ・ウアバイン(0.1〜5μg)の脊髄くも膜下腔投与は、投与量依存的に%MPEを上昇させ、この作用は、モルヒネの約5倍であった。 ・ウアバインによる侵害性熱刺激による反応の抑制、即ち抗侵害作用はアトロピンによって抑止された、またモルヒネ、およびクロニジンの脊髄くも膜下腔内投与との同時投与では著明なsynergisticな相互効果を観察された。 ・これらの結果からウワバイン(ouabain)は培養神経細胞からアセチルコリンの遊離させることから、Na^+-K^+ATPase阻害薬ウアバインによる抗侵害作用は、現時点では、コリン作動性神経活動によると推測している。
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