研究課題/領域番号 |
09877312
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
武田 正之 新潟大学, 医学部, 助教授 (80197318)
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研究分担者 |
波田野 彰彦 新潟大学, 医学部, 助手 (00242404)
筒井 寿基 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (20283012)
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キーワード | 脱感作 / G-protein coupled receptor kinase / 免疫組織化学 / ヒト膀胱 / RT / PCR |
研究概要 |
【目的】膀胱排尿筋における自律神経受容体の脱感作機構と、その機序のひとつである可能性が示唆されるG-protein coupled receptor kinase(GRK)の存在について検討した. 【対象】ヒト膀胱排尿筋:正常膀胱機能を有する膀胱悪性腫瘍患者から膀胱全摘除術の際に採取した。ヒト閉塞(過活動)膀胱:排尿障害のために開腹術を受けた前立腺肥大症患者から、術中に採取した。ヒト神経因性膀胱:主として2分脊椎症による神経因性膀胱機能障害患者からで、膀胱拡大術の際に採取した。【方法】1.分子生物学的検討:膀胱排尿筋からtotal RNAを抽出し、reverse transcription(RT)法によりcDNAを作成し、polymerase chain(PCR)法により自律神経受容体とGRK2のDNA断片を増幅し、Southern hybridizationを行った。2.免疫組織化学的検討:ヒト膀胱排尿筋の凍結切片をアセトン固定し、GRK2、GRK3、GRK4に対する抗体を用いた免疫染色を行った。【結果】RT/PCR Southern hybridization法では、ヒト膀胱排尿筋では正常、閉塞膀胱、神経因性膀胱のいずれでもGRK2のmRNAの発現を認めた。免疫組織学的検討では、正常膀胱では筋層と動脈壁ではGRK2、GRK4の順で強い発現を認め、間質ではほとんど発現を認めなかった。一方、閉塞膀胱と神経因性膀胱では筋層におけるGRK2の発現を認めるが、動脈壁ではほとんど発現を認めなかった。【考察】病的膀胱におけるコンプライアンスの低下の原因の一つとして、GRK2、GRK4の関与する可能性が示唆された。
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