研究概要 |
平成9年度は1)圧可変容量コンデンサーによる圧力測定システムの構築,2)圧力センサーの開発,3)生体内圧測定装置に関する基礎的な臨床検討を計画した。1)圧可変容量コンデンサーによる圧力測定システムは信号発生部,同期パルス発生部,測定制御アンテナ部,測定部より構築されるが,センサー(LC共振回路)に対する送信,受信が円滑に行われていない状態である。また,信号発生部より発生したアナログ信号を同期パルス発生部にて位相を同期させたのちカウンタにて分用し測定制御部へと制御信号を送り,送信と受信とを間欠的に制御する必要があるが,位相の同期が完全にとれていない。さらに,測定制御アンテナ部の開発はセンサーの信号強度が不明であるために試行錯誤が必要不可欠であり多くの課題があることが予想されたが,予想通りで現段階では困難をきわめている。2)圧力センサーの開発については,1)圧可変容量コンデンサーによる圧力測定システムの構築が遅れているために,容量が圧力に依存するコンデンサーを製作したが,このコンデンサーの性能に関する評価はできていない段階である。3)生体内圧測定装置に関する基礎的な臨床検討としては,通常行われている患者の体外から膀胱に圧測定のためにカテーテルを挿入し,トランスデューサー,記録器械に連結し,患者を器械に拘束する手法と異なるトランスデューサーと記録器械との間の連結を切り,患者が測定中に自由に歩き回ることができる手法であるambulatory monitoringを行ってみた。その結果,患者を器械に拘束する必要がないambulatory monitoringは利点が多いと考えられ,生理的な膀胱機能を把握することができるものと思われた。
|