研究概要 |
我々はこれまでに,角膜上皮のcDNAライブラリーを包括的に解析し角膜上皮に特異的な遺伝子を単離するプロジェクトを推進してきた。その中で,角膜上皮特異的なケラチン12(K12)のヒト全長cDNAの単離と塩基配列の決定に世界ではじめて成功した。本研究においては,ヒトK12の遺伝子構造を解析し,染色体へのマッピングを行うことを目的とする。 我々が単離したK12のcDNAクローンからプローブを作成し,ゲノムライブラリー(λFIX IIライブラリー)に対してプラークハイブリダイゼイションを行い,ヒトK12ゲノム遺伝子を含むクローンを単離した。このクローンを制限酵素切断法,塩基配列決定法により解析し,ヒトK12ゲノム遺伝子の構造と塩基配列を決定した。さらにFluorescence in situ hybridization法により,その染色体座を決定した。 K12遺伝子は8個のエクソンから構成されており,ゲノム上,約6kbpの長さを有してした。ヒトのK12遺伝子の構造は過去に報告されたマウスK12遺伝子の構造に極めて類似していた。染色体へのマッピングについては,酸性ケラチン遺伝子がクラスターを構成している17染色体長腕12に位置していた。
|