FasおよびFasリガンドがそれぞれ欠如しているB6のmutantマウスであるB6lprとB6gldマウスに、mIRBP peptide(DG11)により実験的ぶどう膜炎をひきおこし、その炎症の程度を解析し、FasおよびFasリガンドの眼炎症におよぼす影響を調べた。その結果、Fasが欠如しているB6lprマウスは、浸潤細胞がいつまでも炎症を継続しているためか、ぶどう膜炎が強く生じていた。また、Fasリガンドが欠如しているB6gldマウスではぶどう膜炎が生じなかった。その理由に関しては、現在解明中である。TUNEL染色による組織検査では、ぶどう膜炎をおこしている眼球内の随所において、浸潤細胞にアポトーシスが認められ、炎症の程度の制御に関わっていることが伺い知れた。B6lprマウスにおいてその傾向がやや少なかった。以上より、アポトーシスというプロセスが、眼内における免疫環境に多大な影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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