研究課題/領域番号 |
09877347
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
福山 宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60037546)
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研究分担者 |
吉沢 浩毅 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40225090)
中西 英子 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50227831)
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キーワード | リンパ節 / ラット / 個体発生 / 下顎リンパ節 / 神経組織 / NFP免疫染色 |
研究概要 |
検索.1 ラット成獣(10週齢、雄)において顎下腺・舌下腺周囲のリンパ節の解剖学的検索を行った。Superficial cervical lymph nodesは唾液腺の外側部から上部にかけて血管に沿って長径8mm前後のリンパ節が1個、他は5mmから2mmのものが3個、合計片側4個存在した。 リンパ節周囲に到る神経線維は血管周囲から分岐していた。 検索.2 下顎リンパ節の個体発生は胎生14日、16日、18日、生後0日について検索した。ラット胎生期のリンパ組織の出現を検索するに当たって胸腺の出現と顎下腺の出現を目安にした。 顎下腺原基となる上皮の陥入及び腺構造は胎生16日から観察された。胸腺は胎生16日に初めて観察された。胸腺は胸骨の上前面に紡錘形でかなり太い神経束と血管が隣接していた。胸腺を構成する細胞としてヘマトキシリンに濃染する円形の核を持つリンパ球と思われる細胞が主に存在した。 胎生18日になると、顎下腺後外方部分にリンパ節が出現した。リンパ節は顎下腺や血管周囲の疎性結合組織にヘマトキシリン濃染の核をもつ細胞集団として観察され、動脈からの毛細血管が門部に入り、血液の供給も活発であった。NFP免疫染色によると、周囲の動脈と静脈の間の結合組織にNFP陽性神経束が検出された。また分岐した血管にそって細いNFP陽性線維が認められた。しかしこの腺維については非常に弱陽性であるため他の方法による検出を考えている。 その他に胎生18日では前後の頚部に多数のリンパ節と思われる細胞集団が認められた。いずれも血管周囲にいくつか群をなして分布していた。 生後0日では、胎生末期に比較してこれらのリンパ組織は容積が大きくなっていた。多数存在する類似形態の組織がすべてリンパ組織であるかどうか、現在リンパ球(T cell抗体による免疫染色など)の同定を行っている。
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