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1997 年度 実績報告書

筋芽細胞に対するHGFの作用-舌再建へのアプローチ-

研究課題

研究課題/領域番号 09877354
研究機関鹿児島大学

研究代表者

大工原 恭  鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028733)

研究分担者 安田 陽子  鹿児島大学, 歯学部, 教務職員 (70274850)
キーワード筋芽細胞 / 肝細胞増殖因子(HGF) / 増殖 / c-Met / 分化 / MyoD / myogenin
研究概要

まず、マウス筋芽細胞(C2C12)を10%ウシ胎仔血清(FCS)存在下で培養し、この細胞にHGFが発現しているか否かをRT-PCRで検討したところ、HGFを発現していることが確認された。C2C12細胞は、20%FCS存在下で培養すると増殖が促進され、2%ウマ血清(HS)存在下で培養すると、筋細胞へ分化が促進されることが知られている。そこで、20%FCSあるいは2%HS存在下でのHGFの受容体(c-Met)の発現を、免疫組織染色で検討したところ、c-Metはいずれの条件下でも発現していることが分かった。一方、未分化の筋芽細胞が発現するMyoDは、2%HSで6日間培養すると消失し、反対にmyogeninが発現する。従って、筋芽細胞ではHGFが、autocrine的にその増殖、分化を調節していることが示唆された。このようなHGFの生理作用をさらに追求するため、1%FCS存在下で培養したC2C12細胞に、組換え体ヒトHGFを添加したところ、2ng/mlの濃度でDNA合成(3H-チミジンのパルスラベルで測定)を有意に促進し、さらに培養を続けると、44時間で細胞数(MTTで測定)が増加することを認めた。この細胞数の増加は、抗ヒトHGF抗体によって完全に阻害される。なお、上記の実験はC2C12細胞が合成・分泌するHGFの影響を除くため、プロ型HGFを活性型HGFに転換する酵素の阻害剤(20μg/ml leupeptin)を加えて行った。
上記の結果は、筋芽細胞ではHGFが、autocrine的にその増殖、分化を調節していることを示すものであり、次年度はさらにこの作用を追求して、舌再生とHGFとの関連を明らかにする計画である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ohnishi,T.: "Effect of phosphorylated rat fetuin on the growth of hepatocytes in primary culture in the presence of human hepatocyte-growth factor." Eur.J.Biochem.243. 753-761 (1997)

  • [文献書誌] 新垣 尚捷: "肝再生因子とシグナル伝達" BioClinica. 12. 863-867 (1997)

  • [文献書誌] Harvey,P.: "Expression of HGF/SF in mesothelioma cell lines and its effects on cell motility,proliferation and morphology." Br.J.Cancer. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Arakaki,N.: "Hepatocyte growth factor/scatter factor activates the apoptosis signaling pathway by increasing caspase-3 activity in Sarcoma 180 cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.(in press). (1998)

  • [文献書誌] Kazi,J.A.: "Changes with age in rat fetuin concentration in serum and its mRNA expression." J.Biochem.(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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