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1997 年度 実績報告書

ヒトPTH受容体遺伝子の導入によるヒト破骨細胞形成系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 09877355
研究機関昭和大学

研究代表者

須田 立雄  昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)

研究分担者 自見 英治郎  昭和大学, 歯学部, 助手 (40276598)
宇田川 信之  昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)
新木 敏正  昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
高橋 直之  昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
キーワード破骨細胞 / 骨芽細胞 / SaOS-2 / ヒト抹消血 / 副甲状腺ホルモン / PTH / 共存培養 / ヒト破骨細胞
研究概要

従来より、多くの研究者がヒト破骨細胞形成系の確立を目指してきたが、満足すべき結果は得られていない。本研究では、ヒト骨芽細胞株細胞にPTH受容体遺伝子を強制発現させた株細胞を作成し、その株細胞とヒトの造血系細胞を共存培養することで、簡便かつ再現性のあるヒト破骨細胞の形成系を確立を試みた。
(1)ヒトPTH受容体遺伝子とネオマイシン耐性遺伝子を入れた発現ベクターをヒト骨芽細胞系株細胞SaOS-2に導入し、ネオマイシン耐性株を得た。更に[^<125>I]PTHの結合能及びPTH依存性cAMP産生能を指標にヒトPTH受容体を高度に発現したSaOS-2細胞(SaOS-4/3)を得た。
(2)SaOS-4/3細胞とマウス脾細胞の共存培養系にPTHを添加すると酒酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRAP)陽性で、カルシトニン受容体の発現した破骨細胞が形成された。PTH以外の骨吸収促進因子は破骨細胞の形成を促進しなかった。
(3)SaOS-4/3細胞とヒト末梢血単核細胞の共存培養系にするとPTHを添加するとTRAP-陽性でカルシトニンレセプターを発現した多核細胞が形成された。これらの多核細胞は象牙質切片上で吸収窩を形成した。更に、この多核細胞はヒトビトロネクチン受容体を発現していることが、特異抗体(13C2、23C6)により確認された。
(4)SaOS-4/3細胞を用いた共存培養系の実験より、マウスとヒトの破骨細胞形成において、形成に要する時間、M-CSFの必要性、GM-CSFの阻害効果などは全く同じであった。
ヒトPTH受容体遺伝子を高度に発現させたヒト骨芽細胞を用い、ヒト末梢血との共存培養系でヒト破骨細胞の形成に成功した。この方法は再現性も良く、各種の代謝性骨疾患のメカニズムを調べる上で貴重な方法になるものと考えられる。また本研究より、ヒト破骨細胞形成にも骨芽細胞が密接に関与することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Isogai,Y.,et al.: "Parathyroid hormone regulates osteoblast differentiation positively or negatively depending on the diffrentiation stages." J.Bone Miner.Res.11. 1384-1393 (1996)

  • [文献書誌] Jimi,E.,et al.: "Osteoclast function is activated by osteoblastic cells through a mechanism involving cell-to-cell contact." Endocrinology. 137. 2187-2190 (1996)

  • [文献書誌] Nakamura,I.,et al.: "Lack of vacuolar proton ATPase association with the cytoskeleton in osteoclasts of osteosclerotic (oc/oc) mice." FEBS Lett.401. 207-212 (1997)

  • [文献書誌] Suda,T.,et al.: "Regulation of osteoclast function." J.Bone Miner.Res.12. 869-879 (1997)

  • [文献書誌] Ishizuya,T.,et al.: "Parathyroid hormone experts disparate effects on osteoblast differntiation depending on exposure time in rat osteoblastic cells." J.Clin.Invest.99. 2961-2970 (1997)

  • [文献書誌] kawasaki,K.,et al.: "Osteoclasts are present in gp 130-deficient mice." Endocrinology. 138. 4959-4965 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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