研究課題/領域番号 |
09877358
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
程 珸 新潟大学, 歯学部, 助手 (40207460)
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研究分担者 |
祐川 和子 岐阜大学, 医学部, 助手 (60115409)
米持 浩子 新潟大学, 歯学部, 助手 (60293213)
木村 信 新潟大学, 歯学部, 助手 (80251825)
朔 敬 新潟大学, 歯学部, 教授 (40145264)
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キーワード | 腺様嚢胞癌 / ムコ多糖症 / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 免疫沈降 / 線維芽細胞 |
研究概要 |
本年度は以下の実験をおこない、唾液腺腺様嚢胞癌由来ACC3細胞とムコ多糖症III型患者由来線維芽細胞(MPS)におけるヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)の生合成および分解過程を比較した。その結果、ACC3におけるHSPGの多量分泌/沈着/蓄積の動態はムコ多糖症線維芽細胞とは異なっている点がみいだされた。 (1)細胞培養:上記2種の細胞系および正常肺線維芽細胞(FIB)を35mmまたは60mmペトリ皿で単層培養し、免疫沈降実験のため^<35>S-硫酸と^<35>S-メチオニンによる標識をおこなった。 (2)免疫沈降法によるHSPGおよびヘパラン硫酸鎖の検出:前項1)のように標識培養された細胞の細胞層および培養上清について、抗HSPG抗体および抗ヘパラン硫酸鎖(HS)抗体をもちいて免疫沈降をおこない、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動およびフルオログラフィーで可視化するとともに、抗HS抗体による免疫沈降物の放射活性を測定することにより分解されたHS鎖の量を比較した。MPSでは、細胞層には正常なHSPGコアが検出されたが、培養上清にはHSPGとともに多量のファイブロネクチンが共沈した。またMPSではFIBの約3倍のHSが培養上清中に検出されたので、不完全な分解物が細胞外へ放出されていると考えられた。これに対しACC3では、細胞層と上清の両方に完全なHSPGが検出され、とくに^<35>S硫酸により強く標識された。また、培養上清中の不完全なHS分解物はMPSの30%以下であり、ACC3におけるHSPG産生能および分解能の高さが示された。 (3)パルス・チェイスによるHSPG分解時間の比較:前項1)のように培養した細胞を30分間^<35>S-メチオニンで標識培養した後、1、2、4、8、16時間のチェイスをおこない、前項2)と同様に抗HSPG抗体をもちいた免疫沈降によりHSPGの検出をこおなった。ACC3細胞では、チェイス4時間後にHSPGの総量が40%以下になり、8時間後では10%まで減少しており、細胞内外での分解がおこっていると考えられた。一方MPSでは8時間後にも50%以上が残っており、分解代謝の阻害/遅延が示唆された。この結果から、ACC3細胞におけるHSPGの多量沈着/蓄積は、MPSとは異なる機序である可能性が示されたので、今後はその相違点を詳細に検討していきたい。
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