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1997 年度 実績報告書

う蝕の遺伝子治療に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09877367
研究機関長崎大学

研究代表者

林 善彦  長崎大学, 歯学部, 教授 (20150477)

研究分担者 大原 直也  長崎大学, 歯学部, 助教授 (70223930)
キーワードアルカリフォスファテ-ス / 細菌 / う蝕 / 遺伝子組換え / 石灰化
研究概要

アルカリフォスファテ-ス(PhoA)は、石灰化の開始に深く関与するとされている。歯学部所有のE.coliおよびS.mutansのPhoA活性を測定したところ、検出できないほど低い値を示した。本年度は、細菌にphoA遺伝子を導入し、その酵素活性を人為的に上昇させた細菌において石灰化現象が観察できるか否かを検討するため、E.coliを用いて以下の実験を行った。
(1) E.coliのデータベース登録配列をもとにPCRプライマーを設計し、phoA遺伝子を増幅した。得られた遺伝子断片を、分泌発現ベクターpET22bに挿入し、PhoA発現ベクターを作製した。
(2)上記の発現ベクターをE.coliBL21(DE3)に導入した。得られた組換え菌のPhoA活性を測定したところ、非常に高い活性を確認できた。
(3)培地中にカルシウムグリセロフォスフェイトを添加し、組換え菌を培養した。
(4)この菌体を凍結乾燥しFT-IRを用いて解析したところ、コントロール群にはみられない新たなピークが観察できた。これらののピークは、既知のハイドロキシアパタイトと一致していた。
(5)FT-IRにてハイドロキシアパタイトのピークを認めた凍結乾燥試料を電顕観察したところ、小板状結晶と電子線回折パターンを確認できた。
これらの結果から、PhoAを大量に発現するE.coli を適当な条件下で培養すると、石灰化の生じることが明らかとなった。このシステムを齲蝕原性細菌に応用し、石灰化を人為的にコントロールすることにより、新しい齲蝕予防・管理法となる裂溝封鎖材開発の可能性が示唆できた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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