研究課題/領域番号 |
09877370
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
奈良 陽一郎 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (80172584)
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研究分担者 |
光安 廣記 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (20239297)
貴美島 哲 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (90247023)
柵木 寿男 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (50256997)
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キーワード | 引張接着強さ / 接着試験器 / くさび状欠損 / エナメル質 / 象牙質 / in vivo / in vitro / 歯科材料 |
研究概要 |
実際の臨床において修復対象としている硬組織疾患に冒された歯質は、いわゆる健全な歯質とは異なり病理組織学的にも多様な変化をとげている。また、その罹患部歯質は比較的限局した狭小面をなしている場合が多く、従来の試験装置や方法によっては各種歯科材料の該当部歯質に対する接着強さの測定は困難であった。そこで、口腔内のような制限された空間でも操作が容易であると共に、臨床的な修復範囲の歯面に対する歯科材料の接着強さを測定することができるin-vivo・vitro両用小型接着試験器を平成9年度科学研究費補助金によって作製し、その有効性を確認した。本年度(平成10年度)は、本試験器を用いて代表的修復材料であるレジン接着システムおよびコンポマー修復システムの歯頸部くさび状欠損露出象牙質に対するin-vivo/in-vitro接着強さを測定した。その結果、近年の市販レジン接着システムのin-vivo値(10〜15MPa)はin-vitro値(10〜16MPa)と同等であることが明らかとなった。一方、コンポマー修復システムのin-vivo値(4〜7MPa)はin-vitro値(6〜10MPa)に比べ、有意に小さい値を示すことが判明した。さらに、新しいタイプのレジン接着システムを用いて健全なエナメル質に対する接着強さを測定した結果、無切削エナメル質面は研削エナメル質面に比べ接着強さ獲得の点で同等またはやや難点を有する被着体であることが推察できた。また、健全なエナメル質および象牙質に対するin-vivo接着強さは、in-vitro値に比べ同等または小さい値を示す傾向にあった。
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