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1997 年度 実績報告書

ラット顎骨の外形変化-機能力低下に伴う層板骨の骨動態-

研究課題

研究課題/領域番号 09877378
研究機関鹿児島大学

研究代表者

長岡 英一  鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00028812)

研究分担者 春野 雅俊  鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00274845)
川本 真一郎  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70295260)
キーワード顎骨 / メカニカルストレス / 破骨細胞
研究概要

当初の計画に従って、20週齢の雌性Wistarラットを用いて、上顎全臼歯の抜去を試みたが、セメント質の肥厚などの理由から完全な抜歯ができなかった。このため、10週齢のラットに変更して実験を行った。まず予備的実験としてラット10匹を用いて、5匹には抜歯を行い(Ext群)、残りの5匹には処置を行わなかった(Control群)。その後4週間飼育して、中性緩衝ホルマリンにて灌流固定し、屠殺した。摘出した下顎骨を左右2分割し、片顎を非脱灰でポリエステル樹脂に包埋した。Exact社製の研磨標本作製システム(BS3000、MG4000)により厚さ25μmの切片を作製し、塩基性フクシンとメチレンブルーで表面染色を行い、光学顕微鏡にて下顎骨の外層にある層板骨部を観察した。その結果、Ext群、Control群ともに、層板骨表面において吸収窩を形成している破骨細胞は観察されなかった。そこで、吸収活性を示していない破骨細胞系細胞についても観察するために、破骨細胞に特異的なtartrate-resistant acid phosphatase(TRAP)を検出することを試みた。残りの組織を4℃下で10%EDTA溶液に約2週間浸漬して脱灰し、脱水の後、水溶性樹脂に包埋した。ミクロトームを用いて、厚さ4μmの脱灰切片を作製し、TRAP染色を行った。その結果、Ext群、Control群ともに、下顎骨の層板骨部においてはTRAP陽性細胞の発現が認められなかった。今回の実験で、骨吸収の発現が起こらなかった理由として、ラットでは切歯があるために、臼歯部の抜歯だけではメカニカルストレスの変化が生じなかったことが推察される。なお、顎骨骨髄部や歯根膜においてはTRAP陽性細胞が観察され、それらの発現量についてExt群とControl群において比較、検討中であり、TRAPをマーカーとした顎骨骨動態研究の展望が開けた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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