• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

薬物副作用による歯肉増殖症におけるアポトーシス関連癌遺伝子の発現について

研究課題

研究課題/領域番号 09877401
研究機関東北大学

研究代表者

斎藤 恵一  東北大学, 歯学部, 助手 (00178477)

キーワード歯肉増殖症 / bc1-2 / c-myc / アポトーシス / 免疫組織化学
研究概要

薬物副作用による歯肉増殖症の発症機構とアポトーシス関連癌遺伝子との関係について調べるために,ニフェジピンとフェニトインにより誘発された13例の増殖歯肉組織と8例の対照歯肉の上皮においてbc1-2,c-mycのそれぞれのproto oncogeneの発現について調べた。bc1-2の発現は,増殖歯肉13例中全例に,また対照歯肉でも8例中全例に認められた。しかし,増殖歯肉では基底細胞層と有棘細胞層の上皮細胞の核に認められたのに対して,対照歯肉では基底細胞の核に限局した発現であった。bc1-2には細胞の分化とアポトーシスを阻害する作用のあることがわかっており,増殖歯肉上皮でのbc1-2の発現の増加により上皮細胞の分化が抑制され,また細胞の寿命が延長されているものと考えられる。一方,c-mycの発現は増殖歯肉13例中10例に,また対照歯肉8例中3例に認められ,有棘細胞層の細胞の核に発現していた。c-mycには上皮細胞の増殖を促進する作用がある一方で,アポトーシスを誘発する作用がある。そしてこのアポトーシス誘発作用がbc1-2により阻害されることが報告されている。したがって,bc1-2はc-mycがアポトーシスを引き起こすことなく,上皮細胞の増殖を促進するということを可能にしていると推測される。これらのことから,上皮細胞の分化とアポトーシスに対するbc1-2の阻害作用ならびにc-mycとbc1-2の相互作用による上皮細胞の増殖促進が,歯肉増殖症の有棘細胞層肥厚に関係していると考えられた。

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2013-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi