研究課題/領域番号 |
09877431
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長尾 拓 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30217971)
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研究分担者 |
黒瀬 等 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10183039)
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キーワード | βアドレナリン受容体 / タンパク質-タンパク質相互作用 / 蛍光共鳴エネルギー転移 / 細胞内局在 / CLCP Cl^-チャネル / Green Fluorescent Protein(GFP) |
研究概要 |
我々は、βアドレナリン受容体(β受容体)を用いGreen Fluorescent Protein(GFP)の有用性を検討した。野生型のβ2受容体は、アゴニスト刺激により細胞内に移行(インターナライズ)する。GFPをカルボキシ末端に付加させたβ2受容体-GFPもアゴニスト刺激によりインターナライズすることが、共焦点レーザー顕微鏡で観察された。従って、GFPの付加は受容体の性質に影響を与えないと考えられた。これに対し、β受容体サブタイプの一つであるβ1受容体はアゴニスト刺激してもインターナライズしない。GFPを付加させて局在を調べると、アゴニストで刺激してもβ1受容体は細胞表面より動かず、また特定の場所に集合することもなかった。このβ1受容体のインターナリゼーション抵抗性は、リン酸化されたβ1受容体に結合しインターナリゼーションを促進するP-アレスチンとの結合が弱いことに原因があることを示した。酵母の2ハイブリッド法により、β2受容体と相互作用するタンパク質としてCLCP Cl^-チャネルをクローニングした。CLCP Cl^-チャネルにGFPを付加させ細胞に発現させると、主に核に発現し、一部は細胞内小胞と細胞膜にも発現していた。CLCP Cl^-チャネルにGFPとは吸収および蛍光波長の異なるBFPを融合させ、β2受容体-GFPとともに発現させた。しかし、CLCP Cl^-チャネルの細胞膜に発現している割合が低いために、両者の間に蛍光共鳴エネルギー転移は検出できなかった。また、β2受容体はアゴニスト刺激により二量体を形成する。しかし、GFP.BFPを付加させた132受容体の間に相互作用は検出できなかった。これらの結果は、GFPの有用性はマーカー分子賭しての使用に限られ、2つのGFPの間での蛍光共鳴エネルギー転移は分子間の相互作用の検出には適していないことを示している。
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