研究課題/領域番号 |
09877469
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川島 和代 金沢大学, 医学部, 助教授 (40157855)
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研究分担者 |
大森 絹子 金沢大学, 医学部, 教授 (70293347)
真田 弘美 金沢大学, 医学部, 教授 (50143920)
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キーワード | 在宅高齢者 / 村落地域 / 痴呆予防 / 日常生活改善 |
研究概要 |
本年度は昨年に引き続き、在宅で生活している高齢者の知的機能の変化とライフスタイルの関連をみて、日常生活改善プログラム作成の基礎資料とするために、村落地域の65歳以上高齢者を対象に調査を実施した。調査依頼に同意した108名の基本属性、健康状態、受療状況、生活習慣や嗜好、対人関係、社会活動への参加状況、趣味や関心、生活への思いなどを自作の質問紙にて調査した。また、知的機能はN式精神機能検査を用いてスクリーニングした。結果は、男性33名、女性75名、平均年齢74.2±5.6歳、知的機能の変化は、正常47名(44.8%)、境界37名(35.2%)、軽度低下20名(19.0%)、中等度低下1名(1.0%)であった。昨年調査したベッドタウン地域の高齢者に比較すると高齢化しており、知的機能の境界域の者が多くみられた。また、家族と同居している割合が高く、就学年数が短く、地域とのつながりも強い伝統的な村落の特徴が明らかとなった。職業歴では男性は漁業から転職した高齢者が多く、女性は現在も畑仕事など農業に従事しているものが多くみられた。年齢、知的機能の変化に関係なく老人会への参加など社会参加の割合が高く、外出の機会も多くみられた。一方、趣味活動や異性への関心は高くなく、近隣の友人と集まって時を過ごすパターンが多いことがわかった。ベッドタウンと村落地域両者の検討を通して知的機能低下予防への生活改善プログラムは、集団的予防活動よりも今までの生活史を重視した個別あるいは小グループのプログラムの必要性が示唆された。
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