退院した患者がどのような生活上、健康上の問題を抱えているか。また、問題を解決するためにどのような取り組みがなされているかを知るために、在宅ケアを受けている患者・家族と医療従事者から情報収集を行った。 対象:平成9年度は神奈川県下のH病院在宅医療支援室を利用している6家族を対象とした。内訳は男性4名、女性2名で、癌の終末期と脳卒中後遺症の患者である。介護に当たっている家族は実娘が3名、妻2名、夫1名であった。 方法:FAX電話機を在宅医療支援室と患者宅に設置し、患者と家族から療養上の困難や疑問を在宅医療支援室にFAXで送るようにした。支援室では問題や疑問の緊急性と重要性に応じて、定期訪問以外にも対応を行うようにした。この過程で得られた情報をもとに、退院時期の決定と退院後の社会資源、サポートシステムとの関連について検討している。 また、地域特性を見るために、岩手県立E病院での在宅診療とK町訪問看護ステーションでの活動について、意見交換と在宅ケアへの同行調査を実施した。 結果:FAX電話機を設置した6家族のうち、1家族は電話回線上の問題で研究を中断した。また1名は癌のターミナル期であったため、死亡により訪問看護活動を終了した。患者宅からの連絡内容は、処置内容や処方された薬剤の内容確認などが見られている。 在宅診療と訪問看護活動については、農村部で在宅療養を続ける上での諸問題について文献検討をふまえながら考察を進めている。
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