日本に在留する外国人の増加はめざましいものがあるが、このような外国人に対する日常的生活サービスは立ち後れている現状である。本調査は、6月にこのような生活サービスの基礎となる外国人に対する意識、交流経験について次世代を担う若者を対象として調査を行った。関西地域の4大学2短大を対象としてアンケート調査を実施した。1997年7月から9月にかけて1500票を配布し1132票の有効回答票を得た。(回収率75.5%)主な調査項目として設定したのは、高校までの外国人との交流、現在の外国人との交流、外国人のイメージ、マイノリティーの人権、将来における国際交流の可能性についてである。単純集計から得られた調査結果から、外国人の職業イメージについて性別役割イメージが大きく影響しており、女性の職業イメージとして風俗営業に係わる職業イメージが定着しているという結果が得られた。さらにクロス集計を行って、外国人との現在の交流頻度や外国人のイメージ形成、マイノティーの人権に関する考え方などとの関連を検索したところ、外国人について家族から聞かされたステレオタイプが大きく影響していることがわかった。また外国人の生活や人権に関する教育は、これらのステレオタイプの修正に大きな影響力を持っているが、家庭科でされるケースは少なく、英語、世界史、公民、地理などの教科における機会のほうが多い。現在の交流体験やマイノリティーに対する考え方は、将来学生自身の海外へ進出する意欲へも関わっており、留学や海外旅行が一般的となった現在でも若者の中に様々なタイプが存在することが調査結果から得られた。そこで今回の調査結果を数量化3類にかけて軸を求め、4クラスターに分類すると、海外ベンチャー型、家族海外赴任型、日本閉じこもり型、現状安定肯定型が得られた。
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