| 研究概要 |
本年度の研究実施計画に沿って、本年度は科学者・技術者の電気を網羅的に調査し収集することに力点を置き、エジソンやキュリー夫人、野口英世、ファラデーなど、有名な人物に関しては当初の目標をほぼ達成した。いっそうの完璧さを期すとともに、分析に好都合なようにデータベース化する作業は、来年度に行なう予定である。
また、エジソンを一つの典型例として、その人物像がどのように時代とともに変遷し、一般の人々の科学技術への夢や期待、科学観、世相などとどのように関連していたかを分析した。その結果を図式的にまとめると、
1920年代 「努力の人・エジソン」
1930年代以降 「企業家・エジソン」
1945年以降 「平和主義者・エジソン」
となる。1980年代以降については、(まだ仮設の域を出ていないが)「起業家・エジソン」と表現することができる。これらはそれぞれ、その時代における日本の科学技術の発展段階、国際社会の中での日本の位置、国民の願望などを反映したものである。
なお、これらの成果は、International Congress of the History of Science,Liege(Belgium)、ならびに日本科学史学会関西大会にて発表してあり、近く論文としてまとめる予定である。
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