研究概要 |
本研究の目的は,体育科におけるダンスの動作,具体的には,ジャズダンスにおけるアイソレーション動作について,運動構造を明らかにすることであった。 被験者は,ジャズダンスの技術習熟段階の異なる熟練者(インストラクター),非熟練者(経験者,未経験者)であった。課題動作は腰のアイソレーション動作であった。動作の記録方法は,ビデオカメラで被験者(左右肩峰,左右腸骨稜,左右膝蓋骨等にマーク)の正面・背面より撮影・録画した。その動作映像を,コンピューター画面にスーパーインポーズして、スティックピクチャーを求めた。 スティックピクチャーによる動作分析結果から,熟練者は頭部、上肢、躯間はほとんど動かさないようにして膝から腰部を動かしており、腰の独立的な左右動が明瞭であることが明らかになった。しかし,非熟練者については,上体が傾いたり、捻ったりして腰の独立的な左右動が明瞭でなく、熟練者のような動きは認められなかった。このような分析結果から、腰のアイソレーションについては、その課題動作の特性から動作分析の方法に限界があることが明らかになった。すなわち、上記のような動作分析は2次元(X軸・Y軸)的であり、微細な分析観点からは、腰部や膝、または上体の動きがZ軸上にもあると考えられ、3次元的な分析の必要性が認められる。現有の施設・設備等では、このような分析にはその方法には限界があり、今後の課題としたい。しかしながら,今回,以上のような萌芽的な分析・検討を行うことができた。
|