本年度は、被験者の女子6名とのワークを中心とした。被験者は、特発性脊柱側彎症と診断された経緯を持つ5名と腰椎の歪みによる姿勢不良のもの1名、合計6名である。ワーク期間は、平成10年5月から平成11年3月初旬である。夏期休暇をのぞき、週1回のペースで最大29回ワークを行った。ワークの内容は、ワーク期間の前半と後半で異なる。前半は、個人の身体的特徴から、それぞれに必要なエクササイズを開発・処方し、その効果を判定した。ワークの後半は、ワーク前半に開発した60種類のエクササイズを参考にしながら、側彎の矯正に必要なエクササイズをシステム化し、これを被験者に共通のボディ・コンディショニング・エクササイズとして処方した。同時に、ピラーティス・メソッド・オブ・ボディ・コンディショニング法(初級)を用いた。そして、エクササイズによる身体の変化を判定するために、背面角度や重心動揺等を計測し記録した。 この他、本研究と関連する研究発表として「ピラーティス・メソッドの研究-腹部の発見とロールアップ」(日本体育学会第49回大会)、「姿勢の実態について一体幹の回旋を中心として」(日本健康科学学会第14回大会)を行った。また「ピラーティス・メソッド・オブ・ボディ・コンディショニングの研究-ジョーの遺産 」『聖心女子大学論叢第92集』を著わした。また、平成10年年度末に、ニューヨークでピラーティス・メソッドのリフレッシュメント研修を終えた。
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