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1999 年度 実績報告書

数学教育における学校知のエスノメソドロジー的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09878042
研究機関愛知教育大学

研究代表者

佐々木 徹郎  愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (20170681)

キーワードエスノメソドロジー / 学校知 / 教室文化 / 文脈表示性 / 相互反映性 / 相補性 / 構成主義 / 社会文化主義
研究概要

本年度は3年間の研究の最終年であり,数学教育におけるエスノメソドロジー的研究を整理,反省し,これまでの研究成果を発表することを中心とした。その中で,研究者や教師の意見や高評を得て,再検討を行った。
これらの検討によって,エスノメソドロジー的研究において,「学校知」という用語だけではなく,それぞれの教室における「教室文化」という用語も必要であることがわかった。学校知というのは,学校教育という社会的活動における,社会的知識を想定する。つまり,カリキュラムを含めた学校における「日常的な知識」を指している。したがって,そこにはやや現状批判的な視点が主となる。しかも,それは個別的な問題ではなく,社会的な問題を探ることになる。
しかし,それぞれの教室には,教師と子どもが,社会的相互作用の中で構成する固有の状況や知識がある。それは,「マイクロ文化」とでも呼ぶべきものであり,当然各生徒の学習にとっても重要な役割をもっている。それを「教育文化」と呼び,エスノメソドロジー的に研究する意義は大きい。そのためには「文脈表示性」「相互反映性」といった概念が有用である。
また,数学教育におけるエスノメソドロジー的研究においては,「相補性」という概念が重要であることが分かった。つまり,数学教育における研究の大きな流れには,構成主義と社会文化主義がある。これらの基礎的な理論や観点は,対立するものがあり,一見すれば矛盾している。しかし,この両者の観点は,数学教育の研究においては相補性をもつと考えるべきものであり,一方だけでは子どもの思考や学習,教師の指導の在り方を十分に説明することはできない。このことをわが国の小学校の授業を事例とし,エスノメソドロジー的な手法によって示した。これらのことをまとめた論文「数学教育における構成主義と社会文化主義の相補性について」は,平成11年度全国数学教育学会において学会奨励賞を得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 佐々木 徹郎: "数学教育における学校知のエスノメソドロジーII"数学教育論文発表会論文集. 第32回. 37-42 (1999)

  • [文献書誌] 佐々木 徹郎: "算数教育研究の最前線 何のための算数か"新しい算数研究11. No.346. 58-60 (1999)

  • [文献書誌] 佐々木 徹郎: "算数・数学教育における「絵に描いた餅」"愛知教育大学数学教育学会誌 イプシロン. 第41号. 71-80 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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