発声の分野における世界的権威であるコロンビア大学客員教授のコーネリウスL.リード氏との発声メカニズム及び2声区に基づく声楽発声法の共同研究の後、音高を決定している発声メカニズムの基礎研究を基に運動性音程音痴矯正の実践研究を独自の研究として特化させた。具体的解決方法として用いる矯正の為の音型を体系的に構築し、発声のメカニズムを作動させている筋肉を適切にコントロールできるようにするために、簡単に真似るだけで歌音痴矯正を実現できるCD付き本「歌う筋肉」を上梓した。 国民の歌唱熱の急激な高まりの中、歌音痴に起因するコンプレックスや精神的ストレスから、社会的不適応を起こすといった深刻な社会問題まで発生している。実際に歌音痴は義務教育期間になんらかの形で意識し、形成されたコンプレックスであるというケースが圧倒的に多いにもかかわらず、歌音痴の児童生徒は教育現場で、先天的な問題で矯正不可能と思われ無視されるに近い状態に置かれている。 しかし、発声機能自体は年齢・性差・人種・時代に関係なく普遍のものであるため、開発された矯正法は、当然児童発声においてもそのまま適応できるものであり、音楽科教育・音楽教育、生涯教育並びに一般の歌唱力向上へと国境を超えて幅広く社会に貢献できる。そのため、現在、教育現場で有用性のある副教材(矯正のためのソフトウェア)の開発を計画している。 なお、この研究は報道機関、外務省(1999)を通して百十数ケ国に日本の代表的なトピックとして現在配信されており、国内はもとより、米国NJ州立ウィリアムパターソン大学、NY市のマウント・セイント・ヴィンセント大学での講義を終え、現在コロンビア国のロスアンデス大学から矯正法に関する協力の要請を受けている。
|