研究課題/領域番号 |
09878061
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
程 京徳 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (30217228)
|
研究分担者 |
乃村 能成 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (70274496)
牛島 和夫 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (40037750)
|
キーワード | 科学的発見 / 発見的・進化的知識処理 / 認識プロセス / 強相関論理 / 認識プロセスの強相関論理モデル / 認識プログラミング |
研究概要 |
我々が提案した強相関論理に基づいて、科学発見における認識過程をモデル化した。ある形式理論に関して、論理式で表現された任意の命題に対する行為者の認識態度を「容認」、「拒否」、「矛盾」と「独立」という4種類に定義し、任意の命題に対する行為者の12種の可能な認識態度変化を「理論の拡張」と「理論の縮約」という理論に対する2種類の修正の組合せに帰着し、更に、形式理論に対して「認識的演繹」、「認識的拡張」と「認識的縮約」という行為者による3種類の認識操作を定義し、それらの基本性質を示した。これらの基本概念により、認識過程を行為者が知っている知識または信念という出発点から一連の認識操作とその結果の系列として定義し、色々な推論を認識過程として定義できることを示した。基礎付ける論理体系として強相関論理を採用した結果、この認識過程のモデルは、矛盾の存在を許すこと、組合せ的爆発を避けること、論理的全知を避けること、自然な非単調性を持つことなど従来提案された認識過程モデルにはなかった望ましい性質を持っている。 科学的発見において科学者達に新しい強力な自動化道具と系統的方法論を提供し、科学的発見における認識過程を認識的プログラムとして記述し実行するという科学研究における「計算的方法論」を創立するために、上記の認識過程の強拍関論理モデルに基づいて、帰結関係を計算の対象とし、認識操作を計算過程の基本操作とし、既知の事実と帰結関係から帰結演算によって新しい帰結関係を認識する過程をプログラミングの対象とする認識的プログラミングという新しいプログラミングパラダイムを提案した。
|