研究課題/領域番号 |
09878078
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
横矢 直和 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10252834)
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研究分担者 |
片山 喜章 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学センター, 助手 (10263435)
岩佐 英彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (50263447)
竹村 治雄 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (60263430)
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キーワード | 重力場 / ブラックホール / リーマン多様体 / 科学的可視化 / 不可視情報の可視化 / ストリームリボン / 仮想現実 |
研究概要 |
本年度は、以下の研究を実施した。 1. 重力場の動力学解析 相対論的記述が必要な重力場の例として、シュヴァルツシルトブラックホールとカスナー時空を取り上げ、可視化のための動力学解析を行なった。前者については、ブラックホール周辺に仮想的な移動物体を配することによって空間の歪みを表現することを試みた。このために、Runge-Kutta-Fehlberg法を用いた重力場の数値解析に基づく重力場光線追跡法を開発し、重力場の特徴を、1)重力場近傍に置かれた物体の歪み、2)物体の色の変化、3)物体の運動の様子で可視化する方法を開発した。一方、後者については前年度から引き続いて、測地線を分かり易く表現するために、表裏の色が異なるストリームリボンによる光の軌跡の対話的描画法を開発した。 2. 動画像アニメーション作成及び仮想現実感技術を用いた重力場の可視化 重力場近傍における時空の歪みを表現するためには静止画像の提示では不十分であり、アニメーションが有効であると考えられる。今年度は、動画像アニメーションを実現するために、上記1の方式開発と並行して、グラフィックスアクセラレータを用いたハードウェア処理の援用による処理の高速化を図った。しかし、ビデオレートに近い実時間処理には至らず、重力場あるいは仮想物体のインタラクティブ操作を可能にする実時間アニメーションは実現できなかった。現状では、予め計算した結果に基づくオフライン的なアニメーションにとどまっている。仮想環境における実時間でのインタラクティブ操作を実現するためには、数値計算部分の高並列化が不可欠であることが明らかになった。
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