研究課題/領域番号 |
09878090
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
佐藤 哲也 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 教授 (80025395)
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研究分担者 |
高丸 尚教 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (20241234)
堀内 利得 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (00229220)
渡辺 国彦 核融合科学研究所, 計算機センター, 教授 (40220876)
林 隆也 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 教授 (60156445)
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キーワード | 自己組織化現象 / 秩序形成 / 計算機シミュレーション / 複雑性 / 構造形成 / 粒子シミュレーション / 磁気流体 / 普遍的法則性 |
研究概要 |
本年度は、自己組織化研究において最も興味あり且つ重要な物理的課題である「秩序は如何なる非線形性によって創造されるのか、また、そこに横たわる普遍的概念は何か」という課題への挑戦を目的として、バーチャルリアリティ装置の設置および大型シミュレーション研究用解析装置の更新という、研究推進にとって重要なエポックとなる基盤整備を成功裡に行った。また、平成8年度までに明らかとなった自己組織化の統一シナリオを再吟味した。特にこのシナリオをもとにダイナモ作用による双極子磁場構造の形成のシミュレーションを見直し、より長時間の計算によって磁場の自発的反転という重要な現象の発見へと結実させるに至った。このことによって、外部からの情報(エネルギー)入力が連続的に行われる場合には間欠的、再帰的な構造形成が行われるという仮説をさらに強固なものとした。また、系外部のエネルギー源と自己組織化系との間の境界層の「膜」としての機能が系の能動的レスポンスにおいて重要な役割を果たすという、自己組織化シナリオを考える上で全く新しい視点を発見するにいたった。具体的には、境界層付近に配置したプラズマ粘性層を通じて系内にエネルギー注入を行う研究において、この粘性層が系外部から内部へのエネルギーの流入を制御する膜としての機能、即ち「自己組織化の淘汰機能」と「構造の安定化機能」を持っていることを明らかにした。さらに、これまで考察してきた磁気流体プラズマと粒子運動論的プラズマとは全く異なった相互作用系(近接相互作用系)における秩序形成のシミュレーションコードの開発、実行を行った。その結果、プラズマとは異なる局所開放非線形相互作用系においても、自由エネルギーが系の応答時間よりも速く注入される場合には構造形成がステップ状に行われるという仮説を直接検証することに成功した。
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