本研究は、人間の生活環境に存在する紫外域日射量を、屋内・屋外を通じた様々な人間環境を対象として空間位置・行為・季節・時間帯・天候などの指標ごとに測定・整理し、紫外線防御における建築物のシェルター機能を定量的に明らかとしつつ、被曝レベルに基づく人間環境の類型化を行うことを目的としている。平成9年度の研究実績は以下のとおり。 1)紫外線分光測定器による金沢の気象データ取得と分析(担当:垂水弘夫) 金沢工業大学に設置した紫外線分光測定器(SCI-TEC社製、ブリューワ-MKIV)を使用して、平成9年度通年の紫外線分光測定と日射量測定を行い、日射量とA領域ならびにB領域紫外線量との対応関係を、(1)季節、(2)天候、(3)時間帯をパラメーターとして分析した。 2)屋外空間における人間環境下の紫外線量の測定(担当:久保猛志、垂水弘夫) 屋外空間における人間の空間位置としては、(1)都市内のビル街、(2)都市内の緑地内、(3)郊外住宅地、(4)田園地帯、(5)海浜部、(6)山岳部、また、人間の行為としては、イ.歩行、ロ.乗車、ハ.着座、ニ.仰臥、を夫々取り上げ、季節と着衣量に配慮しながら、携帯型紫外線計(英弘精機(株)製、MI-330)を用いて紫外線被曝量の測定を実施した。
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