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1997 年度 実績報告書

人工膜小胞中における細胞骨格構成蛋白質の再編成によるモデル細胞の構築

研究課題

研究課題/領域番号 09878141
研究機関名古屋大学

研究代表者

瀧口 金吾  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20262842)

キーワード人工膜小胞(リポソーム) / 細胞骨格 / モデル細胞 / 光学顕微鏡観察
研究概要

1.人工脂質膜小胞(リポソーム)を作成し、これにニワトリ砂嚢から単離精製した膜結合蛋白質タリンを加えてその形態の変化を光学顕微鏡を用いて観察した。観察結果はCCDビデオカメラによって撮影記録し、リポソームおよび蛋白質の挙動は画像解析装置およびパーソナルコンピュータを用いた半自動解析装置で解析した。リポソームにタリンを加えると、リポソームに安定で大きな膜穿孔がおきた。穿孔によって膜に生じた穴はタリン濃度に依存して拡大し、最終的にリポソームは開いたシート状の一層の脂質二重膜になった。この変化は可逆的で、開いた脂質二重膜はタリンの希釈によって元の閉じたリポソームに戻る。蛍光標識したタリンを用いた実験から、タリンが膜開口部に局在していることもわかった。おそらく、タリンは閉口部の縁に結合し、脂質二重膜の疎水性の部分を覆っているものと思われる。これは、開放端のある脂質二重膜が水溶液中で安定に存在できることを示した最初の観察結果である。現在、この膜穿孔の起きる機構を研究すると共に、タリンの他にこの様な膜穿孔活性を持つ蛋白質が存在していないか探索中である。
2.細胞骨格の1つであるアクチンとアクチン線維架橋蛋白質を同時に封じ込めたリポソームを創り、その形態形成を観察した。その結果を基に、それらアクチン架橋蛋白質の生体膜制御における役割およびその制御機構を解析中である。実験に使用したアクチン線維架橋蛋白質とそれらの機能は次の通りである。
フィラミン:アクチン線維の網目構造を形成させる
α-アクチニン:緩く屈曲し易いアクチン線維の束を形成する
ファッシン:強固で直線的なアクチン線維の束を形成する

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] TAKIGUCHI Kingo: "Morphological changes of liposomes caused by actin and microtubule assembly : the effect of lipid composition, MAPs and actin binding proteins" The 2nd Hamamatsu International Symposium on Biomolecular Mechanisms and Photonics : Cell-Cell Communication. 123-131 (1997)

  • [文献書誌] 金子智行: "細胞骨格とリポソームによる細胞モデル形成" 「表面」表面談話会・コロイド懇話会. 35巻・4号. 15-21 (1997)

  • [文献書誌] SAITOH Akihiko: "Opening-up of liposomal membranes by talin" Proceedings of the National Academy of Sciences U.S.A.(発表予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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