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1997 年度 実績報告書

ショウジョウバエ消化管発生の分子遺伝学的グランドプラン

研究課題

研究課題/領域番号 09878169
研究機関山口大学

研究代表者

村上 柳太郎  山口大学, 理学部, 助教授 (40182109)

キーワードショウジョウバエ / 消化管 / 後腸 / 分節遺伝子 / シグナル因子 / 区画化
研究概要

筆者らはエンハンサートラップ系統の解析によって、ショウジョウバエ胚の後腸で、複数の分節遺伝子が発現しており、それらが後腸の区画化に関与することを予想してきた。本年度の研究計画ては、胚後腸での発現が確認された分節遺伝子の突然変異胚において後腸の区画構成がどのような変化を示すか、解析を進めている。解析の対象とした主な分節遺伝子は、wg、hh、dpp、ptc、enである。
これまで得られた結果から、分泌性シグナル因子をコードするwgの突然変異胚が後腸の著しい短縮を引き起こすことがわかった。各区画のマーカー遣伝子の発現を目安に、短縮した部分の同定を行った結果、後腸中央部より後半と、それに続く肛門盤が形成されていないことがわかった。wgは後腸原墓そのものでは発現しておらず、隣接する肛門盤で発現していた。またhhは肛門盤に隣接する直腸部で発現するが、wg胚ではこのhh発現も消失していた。さらに正常胚では後腸中央部で発現するdppが、wg胚では消失していることもわかった。hhの突然変異胚では、後腸の短縮が認められたが、その程度はWg胚よりも軽かった。また、hh胚では直腸部に隣接する後腸の一部でのdpp発現が消失していた。
これらの結果は、胚後腸において区画化が進行する際に、特定の細胞集団が発現する分泌性のシグナル因子が周辺の細胞集団に作用して、区画形成が進行することを示唆している。今後は各突然変異胚の後腸での表現型を詳細に分析するとともに、遺伝子間の発現制御ネットワークを解明する。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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