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1997 年度 実績報告書

左巻きヘリックス型DNAを認識する脳内蛋白質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 09878186
研究機関摂南大学

研究代表者

米田 幸雄  摂南大学, 薬学部, 教授 (50094454)

キーワードE-box配列 / ゲルシフトアッセイ / DNA結合 / 超らせん / Mgイオン / トポロジー変化 / 左巻きらせん / 細胞核抽出液
研究概要

真核細胞では、機能蛋白質の生合成は遺伝子転写レベルでの調節を受ける場合が多い。一般的に、遺伝子転写時にはRNAポリメラーゼII上流部の二本鎖DNAに負の超らせん構造が生じ易いので、脳内における信号シグナリング時には、遺伝子上流部に負の超らせんエネルギーに基づく左巻きヘリックス型DNAが出現する確立が高い。さらに、この左巻きヘリックス構造は、DNAの塩基配列がプリン/ピリミジンの交互配列の場合に発生しやすい。したがって、本研究ではプリン/ピリミジン交互配列を有する人工的オリゴヌクレオチドを作成後、放射標識したものをプローブとするゲルシフトアッセイを行った。すなわち、E-box配列(CACGTG)を含む22塩基長のオリゴヌクレオチドを、DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメントを用いて[^<32>P]α-ATPにより標識したのち、マウス全脳細胞各抽出液と反応させた、反応液を、ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動後、オートラジオグラフィー法により結合プローブを検出した。その結果、同細胞核抽出液中に強いE-box配列認識活性が存在することが判明した。同結合は、非放射性プローブの添加により濃度依存的に阻害されたが、E-box配列にポイントミューティション(CAGGTG)を導入した場合は、結合に対する阻害活性か消失したので、今回検出されたDNA結合能が、E-box配列を特異的に認識する蛋白質に由来することは明らかである。しかしながら、高濃度のMgイオンを添加すると、このDNA結合は著明に阻害された。通常の二本鎖DNAは、右巻きらせん構造である場合が多いのに対して、プリン/ピリミジン交互配列を有する二本鎖DNAの場合は、高濃度Mgイオン存在下では右巻きらせんがほどけて左巻きらせん構造になることを考え合わせると、今回観察されたMgイオンによるDNA結合阻害が、DNAプローブのトポロジー変化に起因する可能性が示唆される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoneda Y.: "Transcriptional modulation by excitatory amino acid signals in the brain" Current Topics in Pharmacology. 3(1). 165-176 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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