研究課題/領域番号 |
09878190
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻 博司 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20127103)
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研究分担者 |
西本 清一 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10115909)
佐藤 弘子 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00093245)
石川 順三 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80026278)
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キーワード | 負イオン注入 / 細胞培養 / 細胞接着特性 / 神経細胞 / 神経突起誘導 / 回路網形成 / 生体適合性制御 / 無帯電イオン注入入 |
研究概要 |
1.負イオン注入装置により、銀負イオン生成と引き出しを行い、で、市販のポリスチレン(PS)および組織培養用ポリスチレン(TCPS)容器表面に銀イオンを5keVから30keVの各種のエネルギーおよび1014〜1016ions/cm2の各種のド-ズ量で注入した負イオン注入処理基材を作製した。 2.負イオン注入処理基材の接触角の変化を測定した結果、銀負イオン注入により、PSでは接触角が元の86°から73°まで低下させられ、親水性の表面が形成できた。また、TCPSでは接触角が元の66°から84°まで増加させられ、疎水性を付与できることが判明した。XPS分析の結果、銀負イオン注入によりベンゼン環の縮合環への変形と酸素原子の取り込みによるC-0やC=0などの結合が形成されていることが判明した。この炭素と酸素の結合がPSに親水性をもたらしたと考えられる。負イオン注入時の帯電電圧は負の数Vであるを確認した。 3.神経細胞の培養の前実験として、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)の培養実験を行った。その結果、銀負イオン注入PS容器ではHUVECの増殖と接着が確認され、銀負イオン注入によりPS表面に細胞接着特性を付与できた。他方、銀負イオン注入したTCPS容器では細胞接着特性が極めて弱い、つまり、接着特性を除去できた。このように、負イオン注入により、ポリスチレン容器の細胞接着特性を制御できることが判明した。 4.神経細胞PC12h(ラット副腎髄質黒色細胞)の増殖・培養の最適化を目して、未注入コラーゲン被覆TCPS上で培養実験を行い、NGF誘導神経突起形成のための条件を確認した。また、蛍光顕微鏡で神経突起を観察するための染色を行い、蛍光標識抗体の最適化を図った。
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